航空管制官、再受で医学生なう。

航空管制の話題を中心に。航空と医療をつなぐ。

管制官の気象の見方② 雲に関わる要素

 ちょっと高い建物に行く用事があったので、窓の外を眺めたら、花粉なのか砂埃なのか、3km先が見えない状態でした。春だ。花よりも視界の見え方で季節を判断します、Uniform Sierraです。

 

 前回うっすら書きましたが、管制官の隠語で気象情報を「占い」と呼ぶことがあります(現在はあまり使わない)。私は個人的に気象庁の職員さん達が大好きなので(そもそも同じ国交省職員だし)理由を言うのは憚られるのですが、簡単に説明すると、昔々戦争中に衛生兵が銃弾の中を走るとき「測候所、測候所」と唱えた理由と一緒です。お察しください。
 管制官の立場で誤解の無いように説明すると、例え予想だにしていない気象の変化があったとしても、航空機の管制間隔を保ち、安全を守る、という気概があるので、「常に気象の変化も気に掛けているので、予報よりも生の変化を重視したい」というスタンスです。

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ありがとうございます!これはSCTな感じですね。

 

②雲に関わる要素

 ターミナルの管制官が気にするのは、BKNの数値です。真っ先に気になるのはこの3点。

IMCになるかどうか

・VSL APCHが可能な状態か(※)

・ILSの会合は何NMから可能か(※)

(※)最新の黒本を見ていないので、確認が必要

IMC
Instrumental Meteorological Condition(計器気象状態)のこと。
日本は航空法施行規則第五条で定められている。
とりあえず今回は青字だけ気にしていただければ。

(計器気象状態)
第五条 法第二条第十五項の国土交通省令で定める視界上不良な気象状態は、次の各号に掲げる航空機の区分に応じ当該各号に掲げる気象状態(以下「有視界気象状態」という。)以外の気象状態とする。
一 三千メートル以上の高度で飛行する航空機(第三号及び第四号に掲げる航空機を除く。) 次に掲げる条件に適合する気象状態
イ 飛行視程が八千メートル以上であること。
ロ 航空機からの垂直距離が上方及び下方にそれぞれ三百メートルである範囲内に雲がないこと。
ハ 航空機からの水平距離が千五百メートルである範囲内に雲がないこと。
二 三千メートル未満の高度で飛行する航空機(次号及び第四号に掲げる航空機を除く。) 次に掲げる航空機の区分に応じそれぞれに掲げる気象状態
イ 航空交通管制区(以下「管制区」という。)、航空交通管制圏(以下「管制圏」という。)又は航空交通情報圏(以下「情報圏」という。)を飛行する航空機 次に掲げる条件に適合する気象状態
(1) 飛行視程が五千メートル以上であること。
(2) 航空機からの垂直距離が上方に百五十メートル、下方に三百メートルである範囲内に雲がないこと。
(3) 航空機からの水平距離が六百メートルである範囲内に雲がないこと。
ロ 管制区、管制圏及び情報圏以外の空域を飛行する航空機 次に掲げる条件に適合する気象状態
(1) 飛行視程が千五百メートル以上であること。
(2) 航空機からの垂直距離が上方に百五十メートル、下方に三百メートルである範囲内に雲がないこと。
(3) 航空機からの水平距離が六百メートルである範囲内に雲がないこと。
三 管制区、管制圏及び情報圏以外の空域を地表又は水面から三百メートル以下の高度で飛行する航空機(次号に掲げる航空機を除く。) 次に掲げる条件に適合する気象状態(他の物件との衝突を避けることができる速度で飛行するヘリコプターについては、イに掲げるものを除く。)
イ 飛行視程が千五百メートル以上であること。
ロ 航空機が雲から離れて飛行でき、かつ、操縦者が地表又は水面を引き続き視認することができること。
四 管制圏又は情報圏内にある空港等並びに管制圏及び情報圏外にある国土交通大臣が告示で指定した空港等において、離陸し、又は着陸しようとする航空機 次に掲げる条件に適合する気象状態
イ 地上視程が五千メートル(当該空港等が管制圏内にある空港等であつて国土交通大臣が告示で指定したものである場合にあつては、八千メートル)以上であること。
ロ 雲高が地表又は水面から三百メートル(当該空港等がイの国土交通大臣が告示で指定したものである場合にあつては、四百五十メートル)以上であること。

 

 以上は数値上気にするべき点ですが、数値だけを気にするわけではありません。

・VSL APCHでも、パターンに雲がある
 ➡他のAPCHを選択

・FNLに雲がある
 ➡G/Aの可能性を考慮

というように、雲の位置も気にしています。

 ちなみに『計器気象状態』は、「管制官は飛行機/パイロットのこと知らない」と語る系訓練監督者が、OJT中に質問してくるあるある問題なので、新人の皆さまどうぞご活用ください。
例)「VSLなのに雲に突っ込んじゃったけど、これは本当にいいのかなー?」

 それでは、Good day.