航空管制官、再受で医学生なう。

航空管制の話題を中心に。航空と医療をつなぐ。

元管制官が極論で語る航空英語③

 某大学の教養系の元教員で、自分の研究と相容れない分野の、教養レベルの知識をほとんどご存じでない先生がいらっしゃいました。これは「大学教員あるある」だと思いますが、ご自分が知らないことを全否定する姿勢は、学者の態度として不適切だと思っています。
 何故こんなに堂々と批判を書くのか。テーマが「分からないなら『分からない』という事実を素直に認めてください」、だからです。自然体で生きています、Uniform Sierraです。

 

 今回は、管制官の職を辞した立場だから申し上げます。念押ししておきます。個人の見解を示すものです。

 

事案③言いたいフレーズが出てこない

 管制官の訓練生は、無線で詰まったら即座にカットインです。管制指示の判断で詰まることは許されませんし、ましてやフレゾロジーが出てこなかったら「訓練中止!」でヘッドセットを抜かれます(≒退場)。それだけ周波数を空ける(通信量を減らす)ことに努力しています。

 時々いらっしゃるのが、思い出した単語だけ並べて周波数を占有する人です。その分だけ他の航空機が通信できる時間が減りますし、管制官が管制指示が出せなくなる、という事象にもつながります。

 言いたいフレーズが出てこないなら、伝えたいことを日本語で話し、

管制官の指示を必ずリードバックしてください

 安全のためには、フライト中のご自分のタスクを減らすことが最優先です。
 このとき管制官がリードバックとして求めるフレーズは、管制処理規程で定められたフレゾロジーです。このリードバックが無ければ、無線通信は成立したとみなされません。リードバックだけは何卒ご協力をお願いします

 

 これは私の経験談なのですが、地方空港だと、庁舎内で管制官パイロットと顔を合わせることがあります。訓練中と思われる、フレゾロジーの覚束ない方(声で判断)が私に声を掛けてきました。
パ「管制の英語って難しいですよね。僕大変なんですよ。どうやって勉強すればいいですかね?」
私「操縦訓練中でしたら、まずは無線通信よりも操縦そのものに集中するべきだと思います。日本語で意図を伝えていただくのが安全のために必要ではないでしょうか」
パ「でも『みんな』英語なのに日本語だとおかしいじゃないですか!」
 あの、ご立腹されましても、その『みんな』って、操縦が十分に出来て基本的なフレゾロジーはマスターしてる人ですよ『みんな』と初学者のあなたを比較しても意味はありません。

 

 操縦を教える先生の意向があるとは思います。しかし、覚束ない人に全てさせようとするのは無謀です。
 あなたにとって操縦が優先事項なのですか?それとも通信が優先事項なのですか
飛行機を操縦することの本質が無線通信ではないのですから、分からなくなったら日本語で話すのが得策だと、私は思います。無線はみんなの資源です。

 

 以上、USの個人的見解でした。

 自分が出来る範囲、の見極めが何事も大切です。
 それでは、Good day.