航空管制官、再受で医学生なう。

航空管制の話題を中心に。航空と医療をつなぐ。

航空業界の#MeToo ~Airmanという言葉から考える~

 航空業界は基本セクハラ体質だと私は思っているのですが、どこかから反論は上がるでしょうか?「どこも同じだ」という論理は認めません。私の中の上野千鶴子が荒ぶるぞ。Uniform Sierraです。

 

 CABは、多くの官庁と同じく、職場にセクハラ防止委員(正式名称は忘れた)が設置されています。管制官の仕事は男女差が無いので、基本的に性差を感じることは少ないのですが、Airmanという言葉が残るように、「男の世界」という概念にしがみつく人がいます。本当なら「私の時代は、いました。今は違います」と言いたいですが、まだ浄化されていない。

 この記事を読んで「私が品が無いと感じるコミュニケーションの取り方に、同じく『気持ち悪い』と感じる感性のある人が世の中にいて良かった」と思いました。

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 「男同士はこういう話が普通だから、ついてこられないお前がおかしい」「性的な冗談を言っても酒の席だから許される」と上の世代が言うことは、同じようなコミュニケーションの取り方の人間を再生産することにつながるのです。一昔前よりも「セクハラは良くない」と世間みんなが言える世の中なのに、なぜまだセクハラが続くのか。それは下卑た冗談・セクハラが職場の文化(=悪弊)になっていて、職場の文化に馴染んでしまうと何が悪いか理解できないからなのです。

 

 怖いのは、女性が男性の悪い冗談に合わせてしまうことです。航空業界の女性達は男性の操縦に長けている人が多いので、その場の実の無いコミュニケーションに合わせることは造作も無いのでしょう。しかし、合わせられない女性のために、「そういうのは止めませんか?」と一言言ってくれることは出来ないのでしょうか?高いコミュニケーション能力をお持ちなら、角を立てずにサラリと止める機転の利く一言が言えるはずです。そういうベクトルに生かしてほしいと切に願います。

 

 

 

 昔、職場の先輩からこのようなことを言われました。
「ちょっと艶っぽい話もコミュニケーションの一つだって、普通なら大学で覚えるもんだけどなぁ。高卒ですぐ就職だと世間が分からなくてショックも受けるだろうけど、そのうち慣れるよ。」
大学って迷惑な人の論理に合わせる場所じゃないと思う。これも大卒と高卒が混在する職場の文化でした。
「程度の低いコミュニケーションの蓄積でTRMとか言うなら、私、この仕事を誇りに思えません」

TRM
Team Resource Managementの略。コクピット内の人材を上手く生かして安全を守る、CRM(Cockpit Resource Manegement)から、広く人材育成の場で利用される概念。管制官は特にチームで仕事をするので、TRMの生かし方に関する研修の機会が多かった。

相手は黙っていましたが、私が退職したときは「USはうちの社風(私企業じゃないのに「わが社」と言う公務員文化)に合わなかったからな」と言って納得していました。管制官の良い点は、新人もベテランも職責が一緒だから、面と向かって相手に反論しても誰も全く問題にしない点。相手の顔が怒張するだけ。

 若い職員が嫌な思いをする業界であってほしくないと思います。「管制官は変な人を上手く流して一人前」という冗談がありますが、変な人に振り回されて消耗する機会をみんなで減らそうとする努力がTRMじゃないのか?と疑問に思い続けているところです。
 ここで声を大にして言いたいのは、「普通の管制官の職場はそんな体質じゃない」ということです。女性管制官がどんどん増えています。「空は男の世界」という、中高年世代の埃の被った憧れなんて捨ててほしい。「俺たちはそうやって仕事してきた」と胸を張る意識(誇り、埃)に対して「なるほどですねー(棒)」と気の無い返事を返すことはできますが、共感はしない。だって、若い人たちは迷惑してるんだもん。特にパイロットは「男」意識が強いので、若手・女性パイロットのご苦労はいかほどか、と想像しています。KYなCAがバカオヤジ機長を助長するだろうし。


 空にエアロゾルがあるように、時々ゴミは漂っているかもしれませんが、今日の五月晴れの空のように、澄んだ心地よい職場環境であってほしいと思います。

 それでは、Good day.