航空管制官、再受で医学生なう。

航空管制の話題を中心に。航空と医療をつなぐ。

極論で語る航空英語④ 「Good day」は法律違反?

 「モンゴル旅行記」シリーズを書き始めてしまったので、本来の航空の話題を書かないと「元・航空管制官」ブログとしての存在価値が薄れるのではないかと思い始めています。
 正直なところ、年々管制官としての知識は古くなるから、このまま単なる再受験医大生ブログに切り替えてしまったら楽だろうな、と思います(読んでくれる奇特な人は減るだろうけど)。しかし、航空管制官であった自分があるからこそ今の自分があるわけなので、管制官としての軸を忘れたくないから、こそこそブログを書いています。管制官の仕事は好きだった、Uniform Sierraです。

 

 久しぶりに「航空英語」シリーズです。

極論で語る航空英語④ 「Good day」は法律違反?

 エアバンを聞いていると、パイロットと管制官の通信の最後に「Good day」という挨拶が交わされていると思います。まず、このGood dayの意味について説明します。

Good day.
 「Weblio 英和辞典 和英辞典」によりますと、以下の通りです。

間投詞
[日中言う形式ばったあいさつ用いて] (会った)こんにちは!; (別れる)さようなら! 《★【用法】 今では古風で,使用されなくなってきている》.

 なぜそんなに古い表現を使うのかといえば、無線通信は簡潔・明瞭に行われるものなので、
「グデイ」の3音は、非常に短い言葉で通信に最も適切なのです。
 たまに「『See ya』でも短いからいいんじゃない?」という方がいらっしゃいますが、
管制官は実際にパイロットと顔を合わせる機会が無いので。違和感があるのですよ。

  時折、パイロットの皆さまから、
「『Good day』って自分から言ってくれる管制官の人がいますけど、こちらから言わないと言ってくれない人の方が多いです。その違いは何ですか?」
と聞かれたことがあります。
 鋭いご質問です。極端な話だと、たまに「管制官って『Good day』と言わない人は愛想が無いんですか?」とか言われることがありますが、
そもそも「Good day」なんて黒本に載ってないし
と塩対応したくなります。


 官署や管制官個人によって解釈に違いはあるかもしれませんが、私が在籍した当時の保安大の教官や赴任先の先輩の無線法解釈によると、
「『Good day』は余計な通信だから控えるべき」
というものが主流でした。私個人も「Good day」は無線通信に必要のない事項だと思っています。
 しかし、こちらも常識のある人間なので「相手から挨拶をされたら返すのがマナー」だと思っています。したがって、多くの管制官
自分から「Good day」とは言わないけれど、先方から言われれば挨拶くらいは返す
というスタンスです。同様に、クリスマスとか新年の挨拶も、パイロットから言われれば返します。

 管制官は基本的に目立つのが嫌いな人が多いのですが、ビックリするくらいの恥ずかしがり屋が時々いて、返事するのが嫌だからプレストークを2回空押しで返事の代わりにしている先輩もいました。そういう人もいるので、Good dayの有無を気にする管制官は、あまりいません。むしろ心の中では「『Good day』言ってる暇があるなら、さっさと滑走路空けろ」とか思っています。つまり、本当に通信のムダ。

 

 パイロットの女性管制官に対するGood day送信頻度は、男性管制官に対する通信と比較して有意に高いですが、多くの女性管制官は、
「はよ動け」
「言ってる暇あるなら、早くレーダーとコンタクトしろや」
とマイクの向こうで言っています。覚えておいてね♪
 それでは、Good day.