航空管制官、再受で医学生なう。

航空管制の話題を中心に。航空と医療をつなぐ。

元航空管制官による、月刊エアライン6月号の感想

 今日は月1のボランティアに行ってきました。なかなか大学周辺の地元の方と関わる機会が無いので、今日はいろいろな方とたくさんお話ができて面白かったです。実は「人と関わりたい」というのも管制官を辞めた動機の一つでした。話好きなUniform Sierraです。

 

 今回は月刊エアライン6月号特集「航空管制の最前線」の感想を書きます。

AIRLINE (エアライン) 2018年6月号

画像を貼っていますが、当方はイカロス出版と何の関わりもありません。アフィリエイトもやっていません。

 

①訓練生の険しい顔

 まずTWRの写真を見て思ったのは、
私、あんな風に訓練してたんだなぁ。
自分もあんなに険しい顔してたんだろうなぁ。LCL席のお兄さん、「険しい顔」なんて言ってごめんね。もし最高のキメ顔だったら全力で謝りますので、USまでご連絡を!
 LCL席の訓練生らしき管制官が首から下げているID用の紐、保安大の校章がデザインされているので、同期ネーム紐(名称忘れた)だと思われます。保安大の入学すると同期みんなでオリジナルのものを作成するのが恒例行事になっております。私の同期は黄緑色の紐でした。
 たいてい教官が「俺の分も作ってくれよ~」と言い出すのですが、大学生の今だから思うのは、
「ネーム紐の作成費、まるっとまとめて教官が払ってくれてもいいんじゃね?」
ということです。大学なら先生方が払ってくれる、絶対。みんな自費で作成、かつ全員強制購入なので、保安大に入るための準備に使ってお金が少ない時期に払うのは大変な人もいるよな、と自分が購入させられたときから思っていました。
保安大新入生の中に誰か猛者がいたら言ってみてください。
多分教官は、漢気見せてくれるんじゃないかなー(煽り)。

 険しい顔ついでに。私が訓練生のとき、訓練監督者の先輩から言われた言葉を思い出しました。
「訓練生を見る立場の方が、実は訓練生よりもずっと怖い」
きっとどこの組織でも、下の人を育てるときの気持ちは同じなのかな、と思います。
 うちの大学の臨床の先生は、こんなことを言っていました。
「学生実習はいいよ。自由に診断を考えられるし、きちんと見てくれる人がいるから、何でも挑戦できる。だからこそ、いろんな知識を活用できる機会だ。」
訓練で悩んでいる人がいたら、こんな言葉を思い出してほしいと思います。

 

②背面も見てるよ

 「管制官は背面も見ています」という事実が一般の方にあまり馴染みが無いことに、私は結構驚きました。勤務していた官署はトラフィックパターンを左右の両方向使っていたので、訓練機の混雑時は足も使って管制していました。高めのトラフィックパターンで練習したがるパイロットがいたので、しゃがまないと機体が見えないのです。当時管制官の服装規定(ビジネスシーンにふさわしい服装をしましょう的なやつ)が出来上がったばかりでしたが、私はビジネスシューズではとても対応しきれないので、TWRが忙しい日のためにTWR用のスニーカーをロッカーに入れていました。下っ端でゴミ捨てをしたり、新聞を紐で括ったり、重い物を階段で運んだり、運用室やTWRの階段の掃除(私が階段も掃除していたことに気付いた先任は、たった一人しかいなかった)をしていたこともあって、うちの職場の皆さんは私のスニーカー勤務を黙認してくださいましたけど、一応規則上は革靴が望ましいらしいですよ、はい。若手(良い子)は真似しないでね。

 

③フォトジェニック、場面点検

 運航情報官の場面(じょうめん)点検の写真は映えるぞ!と宣言しておりましたが、

見開き扱いとは、月刊エアライン編集部もなかなか分かってるじゃないか。
 私も配属されてすぐのオリエンテーションの一環でお昼のRWY CHKに1度だけ同行させていただいたことがあるのですが、
誘導路、滑走路、本当に何も落ちていない。
むしろたまに小石があるとPLTから管制官にレポートがあるのですが、後から情報官に確認すると、本当に小さいもの。落下物は全て回収して、庁舎内でゴミとして処理しています。
 他職種はどこまで書いて大丈夫なのかギリギリを狙う匙加減が分からないので、この辺で終わり。

 

④管技さんの扱い、アッサリすぎやしないか?

 ……管技さんって、システム系が今の主流なのでしょうか?今回の特集は「最新システム」に焦点が当てられているので、システム系の方に注目しているのだけなのかな……。
 管制技術官の専門は、現場に配属された後に専門研修を受けて決まっていったと記憶しています。その中の一つの分野としてシステム専門官がありました。設備・機器の保守作業は外部委託が進んでいるので、現在空港勤務の管技さんは、専門エンジニアというよりも空港内の設備全体を監督するマネージャーのような役割になっているみたいです。
 写真を見た限り、ただパソコンで監視業務をしているだけみたいで、管制、運情に比べてアッサリした取材だなーと思いました。離島出張に密着取材すればいいのに。編集部の取材準備不足だな、と思いました。まる。

 

⑤敬称が「○○官」だったなんて初耳

 たまにPLTの方からご質問メールを頂くと、「US航空管制官」と宛名が書かれているので、「この人多分、どう書いたらいいか分からなくて無理やり書いたんだろうな」と思っていました。同じように返すなら、こちらは「○○社 B7x7 ○○副操縦士」みたいに書かなければいけない。確かに「GOOD LUCK!!」でキムタクは「新海副操縦士」って呼ばれてた。でも「キャプテン」「機長」呼びはあっても、「副操縦士」ってわざわざ呼ぶのも違和感。……それぐらい逡巡するレベルの馴染みの無い表現ですが、月刊エアラインが「敬称○○官」を広めていたのでしょうか?
 私個人としましては、
「○○課 ○○係 ○○さま」
みたいに、
「○○空港事務所 航空管制官 ○○さん」
が一番自然だと感じます。
 「役職+殿」を使いたい方は「○○官」を使えばいいと思います。少なくとも私に「US航空管制官」と送ってきた人たちはもれなく全員「殿」を忘れていたので、「社会人マナーの出来てない人だな」と嘲笑のネタにさせていただきました。
 その点自衛隊は、どの書類も「○○管制官殿」ときちんと記載されていました。流石でございます。

 

 それでは、Good day.