航空管制官、再受で医学生なう。

航空管制の話題を中心に。航空と医療をつなぐ。

【業界こぼれ話】管制官として勤務しながら大学に通えますか?

 全科目必修、代返即留年な鬼カリキュラムの医学部しか大学を知らないので、自主休講とかパラレルワールドの話だと思っています。Uniform Sierraです。

 保安大の研修が、国家公務員としての勤務時間にあたるため、欠席することは認められませんでした。在学中は研修期間という性質上、旅行・レジャーなどの私事都合で有給を取得することもできません。そんな状態に慣らされてしまったので、逆に授業を休むという発想がありません。

 

 最近Twitter航空管制官退職して医学生、と明らかにしている)で、「USさんは今も管制官として働きながら大学に通っているんですか?」という、もしもし日本語読めますかー?な質問を立て続けに受けております。こういう誤解を受ける理由は何となく把握しております。それは、管制官をしながら大学を卒業した、という人が複数人存在し、某巨大掲示板でもその記述があるからです。
「それなら管制官として働きながら大学に通えるじゃん!(だったら大学行かないで高卒管制官になった方がメリット大きかったじゃん)」
と仰る方がいらっしゃると思いますが、それは非常に浅はかな発想です。

 

①輪番制がネック
 日勤者と異なり、夜も仕事で、土日が休みとは限りません。多くが数日周期のシフトで働くため、毎週〇曜日の夜なら休み、ということもありません。
→夜間大学、出席が危うい。通信制もスクーリングに行きにくい。

②勤務場所がネック
 空港は、大官署以外はほとんど辺鄙な場所にあります。
→夜間大学や通信制大学を設置しているような大きい街へのアクセスは、意外と不便です。

 

ここで、
「出来ない理由ばかり上げるのではなく、出来るポイントを上げたら?」
と指摘される方もいるでしょう。しかし、私自身が通信制大学に通いながら仕事していたので(海外勤務のチャンスをつかみたくて学位が欲しかった)、失敗談を踏まえて、はっきり申し上げます。

 

③ちゃんと大学を終えられた人、一昔前の世代ばかり
 昔と今の管制の現場の状況が違うので、昔ほど休めません。要スクーリングな大学の単位取得は相当苦労する。中年世代の話は信じるな。もし現在管制官として現場で勤務しながら通信に通っている人がいれば(勤務時間の違いにより、事務室勤務はアテにならない)、なんとかして直接話を聞いてください。

 

④周囲の理解がネック
 管制官が有給を取るときは、チームの皆さんの都合を伺うのがデフォです。私のいたチームは比較的応援してくれましたが、「なんでこの人にそんな嫌味を言われなきゃいけないの?」と思うことは多々ありました。

 

 以上の条件があるので、管制官として勤務しながら大学卒業を目指すことは、現状では相当難しいです。楽に単位が取れそうな大学を選ぶ、という方法もありますが、「そこで勉強することが本当に自分の学びになるか?」というモチベーション維持を重視した方が続けられると思います。

 ちなみに私は、通信制の某大法学部に在籍していました。残念ながら医学部進学のために途中で断念しましたが、通信の仲間の話を聞くと、卒業まで平均6年は要するようでした。海外勤務には修士も必要です。ストレートで入省し、修士まで持っている人と競争する可能性を考えると……まぁ、海外は無理だろう、と思いました。お給料も上がらないし、仕事上のメリットはゼロ。それでも大卒資格が欲しい人は、私みたいに退職してキャンパスライフを楽しみましょう!(笑)

 それでは、Good day.